2011-01-01から1年間の記事一覧

激変、激動の末に

遠くまで来てしまったなと思う反面、それでも見方を変えればたった一歩に過ぎないようにも思える、不思議な一年だった。印象に残ったことを思い返そうとして、いくつもの候補が脳裏を駆け巡って、結局何を挙げればいいかわからなくなる。 昨年は、内定の喜び…

忙しいというただそれだけで

なんかこう、音信不通だった友人から突然連絡が来るような記事が書けないものかと思う。それも、仕事やめたとか結婚するとかいう、人生の岐路的な、どでかいことでは一切ない、至極些細な内容で。 忙しいから、連絡が来たところで返信をわずらわしく思ってし…

山上の聖域にて

山間部を縫うように走る南海高野線に揺られ、高野山駅へのケーブルカーが出ている極楽橋駅まで、ゆったりと読書をしながら過ごしていた。橋本駅で後続二両を切り離し、各駅停車で紀伊山地を登っていく列車。一駅ごとに標高が上がり、期待もゆっくりと高まる…

備忘録が記憶の彼方に

自分がブログを書いていたことすら忘れそうな今日この頃。日記の存在を思い出したときに何か書かねば凍結しそうである。ついったーをやっていない友人でこのブログを見ている人とは音沙汰もないので、本の感想ではない日常を書くための場所として、もはや存…

充実の一言

そうか、最後の更新からもうそんなに経つのか、と日付を見て驚いてしまった。泊りがけの研修が先月下旬にあったので、その準備に追われて何の余裕もなく、終わったら終わったで解放感から仕事が楽しくなったりやりたかったゲームをしたりでネットから遠ざか…

備忘(積読一覧)

※順不同(思い出した順)。読みかけ含む。 ・堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』(岩波書店) ・堀江敏幸『なずな』(集英社) ・堀江敏幸『象が踏んでも 回送電車Ⅳ』(中央公論新社) ・堀江敏幸『ゼラニウム』(中公文庫) ・野矢茂樹『「論理哲学論考」を…

刺激に満ちた休養

7月の終わりから始まった夏期講習もようやく終わって、本日は社員旅行へ行ってきた。今日と明日が休みで、本来なら小豆島へフェリーに乗って行くはずが、台風の接近により、日帰りの神戸旅行に変更になった。 とはいえ、近いのになかなか行く機会がなかった…

事後報告的に

またしても久々の更新になってしまいました。 日記しか読んでいない人のことを一切考えず、つらいことを書き連ねて申し訳なかったなと思います。あまり深く考えていなかったのですが、気持ちが後ろ向きなときほど日記を書きたくなり、充実していれば書こうと…

柴崎友香さんについてのツイートまとめ

昨夜、ツイッター上で好きな作家についてひとりで勝手に語るということをやってみた。以下はそのまとめである。こんなことを始めるとますますブログを更新しなくなる気がするけれど、まあいいかなと思うくらいツイッターが楽しくなりつつある。 というわけで…

話し言葉の重さ

話し言葉というのは、実は紙に刻まれた書き言葉以上に強固でずっしりとしていて、重みを秘めたものなのではないかと、最近とみに思う。文字として目に見えないけれど、声をともなって放たれた言葉は、放たれたその瞬間から相手の鼓膜を揺らし、直接的に脳に…

かけがえなき過去完了の物語

物語に宿る、かけがえなさというものがある。たった一度きりだから、二度と味わうことができないからこそ感じられる、その価値。儚さや切なさを孕みながら、それは遠い架空の過去へと読み手を連れて行く。 小川洋子[著] 『人質の朗読会』(中央公論新社) 小…

ささやかな永遠

小説や随筆めいた日記はこれまで書いてきたけれど、詩、短歌、俳句はなかなか書けそうにないので、あまりしっかりと誰かの作品を読み込むということもしてこなかった。 ただ、詩歌の単元の授業をしていて、言葉の持つ力の最も本質的なところに触れられるきっ…

海へ

いろんなひとに、まだまだ話し足りないことがあって、いろんなことを、まだまだやり残している気がして。それでももう、戻れないところまで来てしまったのだなという、微かな実感がある。 長い長い川を下りきって、海原に出た。そんな感じだろうか。 水に浮…

卒業――

昨日、震災の影響を鑑みたような曇り空のもとで、卒業式が行われた。黙祷で始まった大規模な式典のあと、専攻ごとに分かれて行われた卒業証書の授与が終わっても、そして、帰路についてからも、大学の4年間が終わったのだという実感は湧いてこなかった。 す…

近況走り書き

いよいよ週一の更新すら危うくなってきたわが日記。 PCすら開かない日々も続き、ひたすら仕事に打ち込んでいます。今日は休みでしたが来週はそうはいかず、繁忙期のためノンストップで働くことになりそうです。新入社員のくせに身体がもたないなんて情けない…

記憶の地図を広げて

小学校時代からの友人の就職が決まったことを、昨日電話で知った。年明け直後は留年しようか思うと言っていたから心配していたのだけれど、なんとか進む道が決まって、こちらもほっとした。しばらくその経緯を聞いたあと、勤務地を訊ねたら、なんと和歌山だ…

怒涛

配属先に挨拶に行って、そのついでに物件も決めてきました。 こんな素敵なところに住めるのか、と焦るほどの部屋に決定しました。 ていうか引越しまで2週間もありません……。 怒涛の研修で、引越しできる日が限定されてしまったという。 真剣に、口頭試問し…

一息に駆け抜けたあとに

しばらくは読まないだろうと思われていそうであれば、すぐさま読んでみようかと予想を裏切りたくなる。読み手の思い込みを覆すのが書き手である。鮮やかな方法で、そのようなことが小説として試みられている作品を読み終えた。 道尾秀介[著] 『向日葵の咲か…

危険すぎる東北への旅路

東京発、盛岡行きの新幹線に、殺し屋たちが乗り合わせる。それぞれの思惑が錯綜するなか、列車は北へ北へと疾走する。 伊坂幸太郎[著] 『マリアビートル』(角川書店) 『グラスホッパー』(角川文庫)の続編という位置付けとして書かれた、殺し屋たちの物語…

形見の声に耳を澄ませて

小川洋子[著] 『沈黙博物館』(ちくま文庫) 久しぶりに読み終えたこの小川作品は、実は就職活動中に購入したものである。どういうわけか読みかけて途中でやめてしまって、積んであったままだった。読みたくて買ったはずが、枕元に置きっぱなしにされ、あた…

人間の起源を探る旅へ

長旅が終わった。2週間かかった。小説のなかの、キルギスへの旅である。 津島佑子[著] 『黄金の夢の歌』(講談社) いろんなことがあった合間に読み進めていたので、レビューを書けるだけ読み込めていないということをご了承いただきたい。ということで、考…

東京・レポート(表参道編)

1月17日(月) 小説のなかで見た表参道と、季節は真逆だった。葉が落ちきった欅の並木道を、寒そうにしながら多くの人が行き交っている。けれどみんな表情は楽しそうで、通りは幸せに満ちた賑わいに溢れていた。人が多いからなのか、やっぱり京都に比べると…

京都・レポート

昨晩あんなことを書いておきながら、そうは言っても書き残しておきたいできごとはあったので、今さらだけれど改めて書こうと思う。 1月12日(水) 奈良レポートの翌日、実は高校時代の友人と、「まだ行っていない場所めぐりin京都」第一弾を決行した。お互い…

発信するかたち

最近なかなか本を読み終わらないせいで日記が書けない日々が続いています。 でも、本を読まなくても書くことがないわけではないし、何かしら書けばいいんじゃないかという声が聞こえてくる気がしないでもない、こともないんですけど(謎) とりあえず言いわ…

奈良・レポート

津島佑子さんの『ナラ・レポート』(文春文庫)を読んでからというもの、とりあえずもう一度大仏を見たいという思いが拭えず、じゃあ見に行くかとふらっと奈良公園まで行ってみた。 なんせ電車で10分なのである。近い。近いからこそ全然日頃は行く気にならず…

人間ってなんですか

山崎ナオコーラ[著] 『人のセックスを笑うな』(河出文庫) 実はまだ読んでいなかった、ナオコーラさんのデビュー作である。大学生協にて河出文庫が20%オフだったこともあって、年末に買って、昨日読み終えた。 インパクトのあるタイトルで(ナオコーラさん…

迎春

あけましておめでとうございます。 昨日は正月らしく日記もお休みをいただきまして、筆者本人は恒例の初詣に行っておりました。思えば、2010年は1年間ブログを書き通してきたので、自分が何をして何を思っていたのか、読み返せば心の足跡をずいぶん克明にた…