激変、激動の末に

 遠くまで来てしまったなと思う反面、それでも見方を変えればたった一歩に過ぎないようにも思える、不思議な一年だった。印象に残ったことを思い返そうとして、いくつもの候補が脳裏を駆け巡って、結局何を挙げればいいかわからなくなる。
 昨年は、内定の喜びにすべてが集約されるかたちになったけれど、今年は何もかもが密度の濃い瞬間ばかりだった。
 今、心の中に渦巻いているのは、とりあえず大晦日の仕事を終えての安堵が大きい。けれど、その向こうには舞い上がるような楽しさや喜び、何度も噛み締めた悔しさやふがいなさがいっしょくたになって混じり合っている。


 今年が激動の一年になることは予想していたのに、待っていたのは想像もしなかった現実だった。前述の通り、振り返ろうと思っても、整理しきれないほど記憶が込み上げ、包括的で、抽象的なことしか書けそうにない。


 でも、本当に素晴らしい一年だったことは断言できる。
 磨り減った革靴は、ついに新しいものに買い換えた。二年目になって、見えてくる景色はきっと、今年とは違うものになるだろう。踏み出す次の一歩がどんな足跡を刻むのか、昨年とは期待の大きさが段違いである。そして同時に、自分にかかる期待や責任も、今年とは比べものにならないはずだ。
 それでもすべて、物事はとらえ方しだいでどうにでもなる。
 決定的に昨年と違うのは、そこに自分を必要としてくれている生徒がいることだろう。力のかぎりを尽くせるたくさんの相手がいる。
 それを、幸せと呼ばずして何と呼ぼう。


 先を見据えて思うのは、来年が素敵な一年になればいいな、ではない。
 来年を、今年以上に素敵な一年にしようという意志だ。強く思い描けば必ず実現する。それを素直に信じる心を、今年一年で学んだ。
 もっともっと素敵なひとに、心強いと信頼を寄せてもらえるひとになろう。誓って、今年をしめくくりたい。