2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

擬態する世界の向こう側

卒論を書き続けているわけだが、今日は髪を切ってもらいにいこうと昼過ぎに出かけた。高校時代から切ってもらっていて、就活中もいろいろと気持ちの波が激しいなかでお世話になったので、内定報告ができてよかった。安堵する表情を見たとき、心配をかけてい…

斜めに切られ、光る断面

山崎ナオコーラ[著] 『浮世でランチ』(河出文庫) ナオコーラさんの小説を読むのは先月末の『カツラ美容室別室』(河出文庫)に続いて2作目で、少しずつ、その文体の特徴というか、考え方もわかってきたような気がする。柴崎友香さんや長嶋有さんらと比較し…

焼肉でも食べにいきたい

昼前から昼過ぎまでの3時間ほどの研修のために、祝日とはいえ地下鉄に揺られ、内定先に向かった。途中で何やらリクルートスーツの学生と思しき人が続々電車に乗ってくる。確かめていないのでわからないのだが、多分どこかで合同企業説明会があるのだろうなと…

あつい日

先日、急に冷え込んだ日からというもの、寒いのが苦手なので真冬に向けた重装備で出かけるようになったのだけれど、今日は見事に暑かった。外はそうでもないのに、室内はもう若干の汗が滲むという残念な事態で、暖房の効いた書店に長時間いられないのがつら…

書き換えられない記憶

久しぶり、と4人ぐらいに言った一日だった。みんなそれぞれ数ヶ月ぶりに会ったうえ、数ヶ月の間にあまりにいろいろあったせいで、以前会ったときの記憶が遥か遠かった。でも、いざ再会してみると記憶というのは図らずも甦るもので、振り返る対象になってしま…

燃え尽きた星の光を見つめるように

どんな作家がそれを書いたのかを知っていようといまいと、書き出しから読み手の心を鷲掴みする小説というのが、世の中には溢れている。立ち読みで初めて読んで心が揺らぎ、そのときは買わずに帰っても、そこで生じた波紋はどんどん大きくなって、やがてはし…

読書間奏文

買いだめした本が文字通り山のようにあるのに書店に行ったので、読みたい本がまた増えた。まあよくあることではあるけれど、今読んでいる本がまだ読み終わりそうになくて感想を書けないため、読みたくなった本のリストを感想と感想の間に書いてみようと思う…

近況と言えば近況

土日はちょっと書きたいことがなかったのと日本シリーズ観戦に没頭していたのとで書けず、昨日は書こうと思っていたんですが、諸事情によりパソコンが使えず書けませんでした。そんな、今月はなんとしても毎日書いてやろうという意気込みがいきなり潰えると…

文章の連続写真

読み始めた本が、読み終わるまでのあいだに賞を取るなんて、なかなかタイムリーな偶然だと思う。国を揺るがす問題も起こっているが、それはそれ。 柴崎友香[著] 『寝ても覚めても』(河出書房新社) 発売日に買いに走ったけれど、就職先が決まるまでとってお…

磨り減った革靴が踏みしめた道は

明日は内々定をいただいた企業に、意志確認の面談に行く日である。確認されるまでもなく、電話越しに入社の意志を明白に示してしまっているし、選考はすべて終わっているのだから気を楽にしていけばいいのだけれど、やっぱりいろいろと思い出して、変に緊張…

まさに、あるようなないような

普段よく耳にしたり、何気なくしゃべる内容のなかに登場していたりするけれど、誰もそれそのものを見たことがないもの。それがなんと商品として販売されていて、書店にそのカタログがひっそりと置いてあった。創業は明治らしい。老舗である。 クラフト・エヴ…

貴重すぎる偶然は小説のように

久しぶりに連絡した親友に、いつ会おうかと訊ねたら、どういうわけか彼の大学の学園祭へ一緒に行くことになった。就職先が決まっていなければまず行くことはなかっただろうけれど、一緒に行くかという電話越しの誘いに二つ返事でうなずいたのは、それだけが…

静かなる魂の旅立ち

晴れて就職先が決まったら、まず真っ先に買おうと決めていたものがある。何が何でも絶対に買ってやろうという、ある意味このために内定を取りにいったのではないかと思わないでもないが、それはまあ、明らかに言い過ぎである。 で、一体それが何なのかと言え…