2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

気が付けば雲の上

3月から、また大きく環境が変わる。入社してから、2年同じ場所で働いて異動し、今年1年新天地で働いたら、4年目を迎えるにあたってまたしても、部署が変わることとなった。 よくわからないうちに過ぎ去った1年目、自分の特徴を発揮できる部分がわかりか…

物言わぬモノとなって

死者が語る声に耳を澄ませる物語には、幾度となく出会ってきたけれど、死者として、残されたひとたちを見つめる物語は初めてだった。 東直子『とりつくしま』(ちくま文庫) この世に未練を残したまま亡くなったひとが、「とりつくしま係」によって「この世…

【小説】線香花火

僕と彼女が花火をするとき、決まって線香花火が最後を飾った。夜空のてっぺんで華やかに散るよりも、小さく静かに、それでも確かな存在感を残しながら、手元で消えていくほうが、僕も彼女も好きだった。 小学校のときから、毎年僕たちは花火をしていた。それ…

揺らぐ日常と確かな言葉

「日常」という言葉について思う。それは「普通」という言葉と同じくらい、不確かで、危うげで、もろいものなのかもしれず、だからこそ、そういったはかなさを実感したとき、その瞬間をいとおしく思い、大切にしようと思える。そんなことを考えさせてくれる…