2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

振り返る

昨年も一昨年も、大晦日の午前中まで仕事だったせいで、ろくに一年を振り返ることができないまま、新年を迎えた。今年は正月休みが一日少ない代わりに、大晦日にこうして休みをいただいたので、一年を振り返りたいと思う。 2年間勤めた場所を異動することに…

読書記録2013

本当に瀬戸際に立って迎える年の瀬。今年も恒例、2013年の読書記録をここにまとめたい。読んだ本を並べることは、その時々の思いを綴るより、克明にその年を物語るような気がする。読んだ本が人生を創る。そんな思いの中、忙しいながらも充実した読書生活を…

あとがき

前の記事、「月面のフード」のあとがきではないことを、先に断っておきます。 就職してから初めて、きちんとゼロから小説を書き上げた。 執筆期間はちょうど1週間。これまでひたすら読書はしてきたものの、アウトプットした言葉をまとまった作品にすること…

【小説】月面のフード

「月へ行ってみたいとは思いませんか」 猫に話しかけられたのは生まれて初めてだった。 塾の帰り、僕はコンビニの小さな駐車場で肉まんを食べようとしていた。周りに人はいない。僕が座ろうとした車止めの上に、美しいグレーの毛並みを持った、ロシアンブル…

ここではないどこかのきらめき

ページをめくることがいとおしく感じられる読書の時間は、至福以外の何ものでもない。そんな幸せな時間を約束してくれる物語の数々を、今、味わうように、かつ、むさぼるように読んでいる。 吉田篤弘 『針がとぶ』(中公文庫) 『それからはスープのことばか…