2011-05-04から1日間の記事一覧

かけがえなき過去完了の物語

物語に宿る、かけがえなさというものがある。たった一度きりだから、二度と味わうことができないからこそ感じられる、その価値。儚さや切なさを孕みながら、それは遠い架空の過去へと読み手を連れて行く。 小川洋子[著] 『人質の朗読会』(中央公論新社) 小…