2010-01-01から1年間の記事一覧

【エッセイ】いとしの筆箱

一つのものを長く使うほうかと聞かれたら、そうでもないんじゃないかとは思うのだけれど、ひとつ、とりわけ長く愛用しているものがある。 なんでもない、アディダスの黒いペンケースなのだが、まだ大阪にいた小学校5年の頃から、他のものに買い換えることな…

氷山の一角

書店に行って思ったことを好き勝手に喋ります。ご了承ください。 柴崎友香[著]『寝ても覚めても』(河出書房新社)にまったく手をつけていないにもかかわらず、気付けばエッセイの『よそ見津々』(日本経済新聞出版社)がもう出てしまいましたね。 今月は立…

なぜなのか

努力が報われる気がしない。 そろそろまた精神的に危ういんではないかと思ったりする。 出口が全然見えません。そのままの意味で死にそうです。 まあ、落ち込んでいる時間すら残されていないんですが。 しかし若干へこみそうなので、多少の弱音を吐いてみま…

何としても、と毎回思いながら

あともう少し、なんだろうか。 どうしても越えたい壁が眼前に立ちはだかっている。 時間が経つのが信じられないぐらい遅い。ついでに選考のペースも遅い。順調に進んでも今月中には決まらない可能性が濃厚である。 今日は地元の大型書店にて、どうしても買わ…

真実を語ること

この時期まで就職活動を続けているのにこんなことを言うのはおこがましいかもしれないし、そう言える立場でもないのかもしれないとも思った。けれど、この時期まで続けているからこそ、自分に嘘をついて就職先を決めることなど絶対にできないと思っている。 …

響く

それでもときどき、わけもなくかなしさは舞い下りて、胸の奥を静かに揺り動かす。やがてそこから、憂いや切なさを孕んだ濁流が一気に溢れ出す。眠っていた創造力を呼び覚ます出会いもまた、大切にしなければならない縁だと思う。 ――世界の終わりを聴きながら…

積み重なる書物を一瞥して

ちょっと100時間ほど本を読む時間がほしい、と思う。

一息

面接5つ、受けきりました。すでに結果がわかっているのは3つ(2勝1敗)ですが、残りを含めた全体の手応えとしては3勝2敗です。一応勝ち越せたのではないかと。志望度の低いものはやはり結果に表れるようです。 とはいえ、ようやく面接全体の流れを意識しなが…

途中経過と再訂正

2つ面接をこなしたと思ったらまた1つ増え、結局1週間で合計5つ面接を受けることになりそうです。明日がなぜか奇跡的にオフで、その代わり明後日の午前と午後に面接を受けることとなりました。8月中に現実逃避らしきことをしていたおかげなのか、充電がたっぷ…

そして手帳の空欄が埋まる

考え方を変えよう、とこの半年で何度思っただろう。今となっては数ヶ月前の日記の自分さえ別の人間みたいに見えるから面白い。将来に向かって踏み出すために抱くべきは、自信とか不安ではなく、期待なのだと今になって思う。 前回の日記を訂正します。来週の…

戦場にて

いつかかってくるかわからない電話に備えてポケットにそえた手に神経を集中させるというのは、いつ敵に襲われるかわからない状況下でピストルにそえた手に神経を研ぎ澄ませるという行為にかぎりなく似ているのではないかと思った今日この頃。相も変わらずス…

最近更新がない理由を一言で

ここに書きたいことより、誰かに話したいことのほうが多い。

光ってみえたもの、それは

最近読む本はどれも読む前に持っていたイメージを上回る名作ばかりのような気がします。充実した読書生活を送れているような。 記事タイトルから、わかるひとはわかるかもしれませんが、この作品です。 川上弘美[著] 『光ってみえるもの、あれは』(中公文庫…

長旅を終えて

特に何もなかった日は書くことがないという理由で、何かあった日は忙しかったという理由で、ここまで放置するにいたりました。本を読み終えた日もあれば、実家でのんびりしていた日もあったり、小学校からの友人宅に泊まりがけで遊びに行った日もありました…

休符を聴くように

新刊が気になっていると書いたものの、買ってそのまま置いてあるものは取り急ぎ読まなければならないので、先にそちらから読もうと思って京都駅へ向かう電車の中で読み始め、帰ってきてからも一気に読み通しました。 それがこちら。 小川洋子[著] 『余白の愛…

あとがきと読書記録

一昨日はなかなかよくわからないものを唐突に書きましたが、一応ああいうものを書くに至った経緯というのがちゃんとあって、今日は少しそれについて書こうと思います。 先日、書かれた「私」と書く私というような、同じもののようで別個の存在としてある主体…

【散文】anonymous

落ち込んでいるわけでなく、前を向いて地に足をつけているわけでもない、ただ宙に浮かんでいるような、そんな心持ち。こみ上げてくる焦りを黙殺しながら、なるようにしかならないなどと言って惰性で努力しているふりをしつつ、その先にある自分の今後の生き…

退屈な雑感

あ、生きてますよ。 そういや8月に入ってからまだ更新してないなと思って、こんな時間に大した意味もなく書いてます。なんというか最近日記を書かなければいけない義務感というのが希薄で、何か書こうとあんまり思いません。 7月から自分のなかでの日記の位…

架け橋を眺め、渡る旅

友人と天橋立に行ってきましたー。 去年の夏ごろから車でどっか行きたいなという話をしていて、ようやく今日実現した感じです。なんでまた天橋立か。もちろんなんとなくです。電車で行きにくく、なおかつ行ったことのない観光名所ということでさらっと決まり…

厳選、私の50冊

夏である。暑さについては言うまでもないが、書店では来たる長期休暇に向けて「夏の100冊文庫フェア」なるものがどこでも開催されている。 というわけで(どういうわけだろう)、「私の100冊」と題してこれまで読んできた本をピックアップすればどうなるか、…

強制的自由について

テスト勉強らしきことをしている。 とは言っても自由論について時間を割いた講義だったこともあってなのか、テストもまあ自由に論述してくれていいよという先生のスタンスである。あまり授業に出ていない状況で自由と言われても、どの程度の自由なのか判然と…

書くべきこと、考えるべきこと

山田ズーニー[著] 『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』(PHP新書) 友人のおすすめ書籍である。読み終わってからではなく、読みながら、A4で3枚分ほど思ったことを書き連ねて整理していた。 昼過ぎから今までずっと考えたり書いたりの作業を繰り返して、いま…

言葉の向こう、人間的なものたち

中村文則[著] 『土の中の子供』(新潮文庫) 小川洋子[著] 『薬指の標本』(新潮文庫) 小川洋子[著] 『妖精が舞い下りる夜』(角川文庫) 昨日から今日にかけて読んだ本たちである。どれも200ページ前後のものなのでさらっと読んだのだが、さすがに3冊まと…

しめやかに、けれど確かな熱をもって

五十年余りにわたる交友によって築き上げられた絆とは、どういうものなのかと想像はしてみても、自分の生きたこれまでの二倍以上の月日など、あまりに深遠すぎて霞みがかっている。歳月の長さですらはるか遠くに感じられてうまく思い浮かべることができない…

失われゆくものたちとともに

小川洋子[著] 『ブラフマンの埋葬』(講談社文庫) 小川洋子[著] 『密やかな結晶』(講談社文庫) 昨日、今日と続けて読んだ小川さんの小説。思えば高校2年の頃に現代文の教科書に載っていた「アンジェリーナ」に惹かれて『博士の愛した数式』を手に取るに至…

神は悪意に満ちている

中村文則[著] 『掏摸[スリ]』(河出書房新社) 以下の感想を読んでからこの作品を読んでも支障がないように配慮はしつつ書いていますが、内容をある程度明かさなければ伝わらないだろうと思う部分も多かったので、ネタバレ要素も若干ながら含んでしまってい…

静かに凪いだ物語の海へ

本のなかに、ひとつの世界を見た。現実に近いようで、けれど確かな隔たりを持った、慎み深くうつくしい、物語の世界である。350ページほどの紙の上、静かに揺らめく言葉たちは、優しい光を放ちながら、読み手をその深遠な世界へと連れ出してくれた。 小川洋…

無題

携帯電話で文章を書くと、言葉が死んでいるみたいに見える。 何がそうさせるのか、非常に気持ちが悪い。パソコンで書こうが携帯電話から書こうが手書きであろうが自分の言葉なのに、それぞれが別の自分であるというのは疑いえないと思う。その中でもとりわけ…

言葉が織り成す仕合せ

突然ですが、パソコンを修理に出さねばならなくなったので、明日以降一週間弱は日記を書けそうにありません。 と、ここに書けるぐらいだから一見問題はなさそうですが、危険な症状が多々出ているので、サポートセンターに電話をかけてみました。それ以前に友…

六月の前線のように

喫茶店でひとり、コーヒーを飲みながら本のページをめくる。こうして本を読み味わうことが、何か久しぶりのような気がして怖くなった。最近、伊勢旅行しかりだが、ひとりでものを考える時間を意識的に増やしている。こんなことを書くと下宿をしている友人か…