焼肉でも食べにいきたい

 昼前から昼過ぎまでの3時間ほどの研修のために、祝日とはいえ地下鉄に揺られ、内定先に向かった。途中で何やらリクルートスーツの学生と思しき人が続々電車に乗ってくる。確かめていないのでわからないのだが、多分どこかで合同企業説明会があるのだろうなと思いつつ、自分もこの格好だと間違いなく就活生に見えるのだろうと考えたりした。


 思えば昨年のこの時期、インターンの友人と合同説明会に参加するつもりだったのが、見事にインフルエンザにかかってしまい、自宅でマスクをしながら焦っていたのをよく覚えている。
 しかし参加した友人の感想を聞くまでもなく、とりあえずこの時期は人混みなわけで、さらには超大手企業ばかりが集結しているために、会場は何かの祭りのように、黒々とした集団がテレビに映し出されていた。


「優秀な学生を早く採用したい」という企業側の声を聞くけれど、働くことに対してこの時期からしっかりしたビジョンを持って動けている学生は本当に一握りで、大半はいろんな企業を回りながら自分の軸なり方向性なりを見い出すものだと思う。採用担当者の言う「優秀な学生」が何を意味するのか未だによくわからないが、就活しながら「優秀な学生」になっていく人だっているわけで、ニュースを見て、そんなに焦るなよと企業に対しても学生に対しても思った。
 その一方で、焦らずにいられない気持ちも充分にわかってはいるのだけれど。


 と、すでに自分にとっては過去のこととなりつつある就職活動のことを書き連ねてみたが、それとつながってくる嬉しい報せが一つ。
 同じ専攻の友人が、内定をいただいたとのこと。
 身辺の状況も、精神的な状態も、見ていてすごく厳しいのがわかっていたからこそ、決まって本当によかったと、安堵の思いが強い。いろんなことを並行しながら手にした内定の価値の重みが、自分が先月末に手にした内定以上の重みのようにも思えて、すごく感慨深い。
 まさか勤労感謝の日に決まるなんて、と変な偶然に彼らしさを感じながら、この場で祝福したいなと思います。


 おめでとう!