読書間奏文

 買いだめした本が文字通り山のようにあるのに書店に行ったので、読みたい本がまた増えた。まあよくあることではあるけれど、今読んでいる本がまだ読み終わりそうになくて感想を書けないため、読みたくなった本のリストを感想と感想の間に書いてみようと思う。文字通り間奏文である。


 ちなみに現在読んでいるのはポール・オースターの『最後の物たちの国で』(柴田元幸訳 白水uブックス)。かなり面白く読んでいる。いきなり引き込まれ、すんなり読みこなせる日本語なのは、さすが柴田訳というべきか。
 で、まだ読み終わっていないのに、オースターの他の作品も読みたくなっている。やっぱり『ムーン・パレス』(新潮文庫)は外せない気がする。あと、ハードカバーで言うなら『幻影の書』(新潮社)。


 海外文学で言えば、タブッキの『インド夜想曲』(須賀敦子訳 白水uブックス)を読み終えて、これまた相当面白かったので、『遠い水平線』(同上)も読もうかと思っている。
 イタリア文学で言えば昨日友人宅で須賀敦子DVDの上映会を行ったこともあって、トリエステ生まれの詩人、ウンベルト・サバの詩集が非常に読みたい。何かの数字を偽るつもりはさらさらないけれど、サバを読みたいのである。


 詩集つながりで行くと、詩は普段あんまり読まないので、リルケとかヘルダーリンとかツェランとか、コクトーなどなどを読みたい。


 また、海外文学については自分がこれまであんまり読んでこなかったのと、最近知り合った友人の友人が海外文学に傾倒していたのとで、読もうかなと思う本が急増している。クンデラとかサガンとか。しかしいつ手をつけられるのかまったく未定……。ゲーテの『ファウスト』もドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』もまだ途中だというのに(汗)


 とりあえず舞台を日本に戻して言えば、未読のものでとりあえず気になっているのは太宰治の娘、津島佑子さんの小説である。太宰を全然読んでいないのに、以前立ち読みした『ナラ・レポート』(文春文庫)がすごく面白そうだった。
 女性作家で言うと、ついこの間ドゥマゴ文学賞を受賞した朝吹真理子さんの『流跡』(新潮社)がすごく読みたい。評判も良いらしく、何よりその文学賞の選考委員が堀江敏幸さんなのである。


 現代の男性作家だと、星野智幸さんの『最後の吐息』(河出文庫)が気になっている。文藝賞受賞作だし、解説を書いているのがこれまた堀江さんだったりもする。
 そして、男性作家で河出文庫つながりで行くと、高橋源一郎さんの『優雅で感傷的な日本野球』が読みたい。同じく河出から出ている『「悪」と戦う』もかなり読みたい。ちなみに両方とも友人の猛プッシュを受けている。


 そんな感じで、書いてみてその多さに自分で驚いた。今日書いたのは、今すでに買ってある本とはまったく別にある、読みたい本である。まだ他にもあるし、すぐまた増えることが予想される。卒業までに果たしてどれだけ読めるのやら。