人に見られたくない日記

 そんなタイトルを付けているにもかかわらず、こうしてネット上で公表するということは、誰かにわかってほしいという思いが少なからず自分の中にあるからなのだと思う。


 正直なところ、日記を書きたくなかった。


 自分の弱さと向き合うことがこれほどまでに苦しいことだとは思わなかった。部屋に閉じこもって、前向きに考えることを一度やめて、ごまかしてきた素の自分を直視する試みは、やっていて時折泣きたくなる。逃げ出したくもなるけれど、逃げようとする意志が生まれることすら自分の甘さのように思えて悔しい。友人の前で隠しておきたいそんな自分が露呈してしまいそうで怖い。
 他方、自分の長所やこれまでの経験から、やりたい仕事、送りたい人生を考えてもいるけれど、細かく分析すればするほど、自分のやりたいことは小説を書くことだと明らかになっていく。もちろん就職するつもりではあるし、小説を書かずに生きるつもりもない。ただ、就職活動中は小説を書かないでいよう、とは思わないし思えない。就活をしながら並行して小説を書くことすらできない人間が、仕事をしながら執筆を続けられるわけがない、そう思うからである。
 大学生活で、それなりに作品は書き上げてきたけれど、明確な実績があるわけでもないし、自信を持って、書いてきたと誇れるレベルではまったくない。そんな状態で就活に踏み込みたくないし、小説に関して妥協してしまったら、それこそ自分の本当にやりたいことを放棄することになりかねない。
 にもかかわらず、今月に入ってから、先月以上に日が経つのが早いように感じられて、焦りばかり募る。朝早くから学校へ行って講義を受け、6限の時間に業界研究のセミナーを受けたりしていると、家に帰れば9時半を過ぎていて、そこから慌てて自己分析を続けたり、日が変わってからこうして日記や小説を書いたりしている。
 やるべきことはまだ他にもあるのに、時間もうまく使えていないし、まだ手をつけていないことに対してどこから手をつけるべきかを逡巡してしまっていて、完全に足踏みをしているみたいに思える。
 周りには就職ではなく大学院や公務員、教員を志望している友人のほうが多く、就活をする友人にはあまり会う機会がない。逆に会っても余計に不安になりそうで、どうしていいかわからない。


 とまあ、悩んでいるわけで、でも悩んでいる自分なんて見せたくないので、こんなことを考えていようが学校では元気ですけどね。


 ふと、インターンの友達に会いたいなあと思う。


 でも、人を頼ろうとしている自分がそこに見え隠れして、それもまた腹立たしかったり。