5年を終えて

 新しい手帳を買うとき、目の前にはこれから先の一年が広がる。世間の年度替わりは4月だけれど、仕事の性質上、3月から次年度が始まるので、今日と明日の日付をまたぐことは、ある意味年越しと同じくらい大きなもののように思える。


 6年目に入る。5年も働いたことを感慨深く振り返ってしまう。就職するまでが本当に大変だった5年前、自分の築き上げてきた何かを洗い出すことに必死で、考えに考えた末の自分のあり方と、その伝え方の結果、この5年がある。


 肯定的なまなざしをもって、自分の歩いた道のりを振り返るようにしたいとずっと思ってここまで来たけれど、正直なところ今そこには迷いがあって、本当にこれでいいのかという思いが渦を巻いている。


 2週間の療養があって、心の底から、この年度末で別の部署に行けないか、そうでなければ会社を辞めるかということを考えた。異動については自分ではどうにもならず、結局のところもう一年、今年度と同じ場所にいることになった。
 今のところ、一度休んだことで、長時間働き過ぎるようなことには、なるべくならないような配慮が少しずつあって、同じことが起こらないようにはしてもらえている。


 身体の面が何とかなれば、問題は精神面になるのだけれど、厳しい部分もある一方で、5年やってみて、どうしようもなく自分に合っていると認めざるをえない部分があるのは確かで、それが現在の自分をここにつなぎとめている鎖みたいなものだと思っている。
 はた目で見れば、さっさと辞めればいいのにと思われるかもしれないけれど、そういうわけにはいかない理由も多々あって。辞めるくらいなら、好き勝手あがききって、なおかつ辞めた後のことを見通してからでないとと思う。


 ただ、仕事外の充実をどのように得るかというところには依然、問題があって、それが本当に苦しい。人と人とのつながりを、うまく広げ、保っていきたい。それだけがずっと、もしかしたら仕事以上に、この5年間苦労してきたことかもしれない。


 幸せな一年にする努力だけは怠らないように、前に進んでいきたい。