ページをめくる手をとめて

 停滞が続く。
 小説をさあ書こうと思う瞬間が『1Q84』と重なってしまうと、残念ながらどうすることもできない。現在半分より少し手前。順調に読み進めてもまだしばらくは読み終わらないと思う。月曜にまた説明会があるので、それまでに何とかできれば。


 そんな読書のかたわらで、新規掲載を始めた企業の情報に目をやりながら、地道にただ持ち駒をつくる。世の中が厳しいから甘い考えでは危険だということが囁かれているけれど、就職ができないことを世の中のせいにしてしまうような人間になるほうが危険だと思う。


 ただ、就職に向けて3ヶ月ほどいろいろと動いてみて、自分のやりたいことがより不明瞭になったような気がして頭を抱えている。こんなことは言いたくもないが、はっきり言ってわからない。
 働くためのそれなりの動機はあっても、覚悟がまだ足りていない気がする。


 全然悪いことではないと思うのだけれど、大学の居心地が良すぎるっていうのが明らかに一つの原因のように思えてならない。


 捨てきれない甘えが自分の中にあるなあ、とそんなことを考えています。自分を見失いそうになる瞬間、というのをたまに感じ、自分の中にある主義主張、考え方などなどが、実はあまりに脆いものなんじゃないかという不安に苛まれるのです。
 気持ちの波みたいなものが、楽観的なところから急に悲観的なところへ押し寄せて、社会に向けてなしうること、自己の成長が意味するものを考える尺度が崩れかける。価値観ってそもそも何か。


 落ち込んでいるわけでは決してない。
 多分今、そういうことを考えざるをえない時期にいるだけのことだと思う。