身の振り方と、選ぶ価値
5本あった柱が4本になったことは書かないでいましたが、4本の柱のうち、現在3本は結果待ちの状態です。少しずつ自信がついてきたとはいえ、選考中の企業すべてが駄目だったらという可能性を考えると、改めて不安になります。
ところで、どの企業へ行っても役員の方々が異様に怖いのはなぜなのか。不必要なほど威圧感を放つ意味がわからないのですが、意図的に放っているのか役員になる過程で身についたオーラなのか、醸し出される空気があまりに似通っています。業界が異なろうと、一様にあのプレッシャーのかけ方でこちらを見るというのは、どこかにマニュアルでもあるのかと思ってしまうほどです。
まあ、怯んでいる場合ではありません。
今日は面接を受けに行ったわけなんですが、説明会に出席したにもかかわらず、全然働き方が見えてこない会社でした。説明会の内容があまりにざっくりとしていて、若手社員同士の関係だったり社内の雰囲気だったりが具体的に見えてこず、こんな事業をしています、業績は安定しています、ぐらいしか理解できないまま、ESを書いてそれが通ってしまったという経緯です。
営業の社員の方々の人間関係がどんな感じなのかというのは、実際にその様子を見なければわからないもので、面接の場で質問できるものでもありません。雰囲気は自由で人間関係も良好ですよ、と口頭で言われても、何も実感できないわけです。こちらからOBの方にアポを取って話を聞かせてもらうぐらいのことをしないと何もわからない会社だったなあと、面接を受けてから思いました。でも、説明会に行かずとも、資料を取り寄せてESが通れば面接に行けてしまうという、そんな企業です。
質問は一般的でしたが、行きたいという熱意が湧いてこないまま受けてしまうと、やっぱり言葉に気持ちが入らなかったように思います。
持ち駒を失いたくないという意味で落ちたくないものの、落ちても文句は言えないし、受かっても逆に困るという心境でしょうか。就職できるかどうかもわからないのにそんなことを言える立場でないのは承知していますが、望む生き方を真剣に考えているからこそ、はっきりしないところに突き進むことなどできません。
就職のことにあれこれ一生懸命にならざるをえない最近ですが、そろそろ勉強したい思いに駆られています。振り子のようなもので、就職活動に力を注いだ分、専攻での研究や小説に立ち戻ったときに思った以上の成果をあげられるとは思うのですが。
将来のことを考えてとか、今後の成長のためにとか、自立して生きていくためにとか、一応は正しくもあるそれなりの理由によってある程度積極的に就職に向けて動き続けていても、中途半端な形のまま残っている研究だったり構想中の小説だったりに、力を注げない現状に対して少しずつ腹立たしさを覚えてしまっています。
気分転換として、というのはもういらない。じっくりやりたいことに取り組みたいなと、この時期だからこそ思います。
何か大切なものが、就職活動によって損なわれてしまっていないか。
得るものはもちろん大きいし、いろいろな意味で成長もできているけれど、改めて立ち止まって考えたとき、もしかしたらという思いに駆られて怖くなります。どういうスタンスで、何を大切にしながら生きていくことが、自分にとって納得できるものなのか。ポジティブな性格をしているので、おそらくどういう状況に身を置こうとそれなりの理由をつけて納得してしまうだろうと予想できてしまうから、余計に怖いのです。
信頼できる人が言ってくれたことだから正しい道だとか、着実に努力を重ねてきたことだからないがしろにすべきでないとか、選び取る価値の善し悪しを判断できる基準は、結局のところ自己の内面によるしかありません。本当にこのままでいいのか、といろいろと思うところもあるわけです。
未来に待っているかもしれない後悔について、企業を知っていくなかであれこれ悩むことがあるのだと、端的にキャリアオフィスの方に話したとき、「それは内定を取ってから考えましょう」と言われました。
これはこたえ方としてずいぶん問題があると思います。企業と自分との不一致を懸念しているようでは、面接のなかでその不安を見せずに発言することが難しくなるから悩ましいわけで、内定を取ってから考えるべき問題ではなく、内定を取るために支障をきたす問題なのです。
別に内定がゴールだとはまったく思っていませんが、だからこそ、入社した先に待っていることがどのようなものか、イメージを具体化する必要があります。かぎられた情報からしか私たちは企業を判断することができないわけで、入ってみなければわからない問題のほうが圧倒的に多いのは事実です。最終的にはやっぱり運と縁なのだと、言ってしまえばそれまでなのですが、なるようにしかならないと考えて努力や思索を諦めてしまえば何の意味もありません。
考えたいこと、書きたいこと、読みたい書物が山積していくなか、取り巻く状況は何も待ってはくれず、ただただ歯を食いしばる日々が続きます。