できることぜんぶ

 決して言葉にできないおもいが存在することを確信しながら、それらのおもいをなんとかして言葉にしようと闘い続けるのが、ものを書く人間の宿命だと思う。


 もやもやとしたおもいを抱えているひとに、その気持ちにあてがう言葉を、一つの物語を通して与えることができたら。
 そんなふうな思いがだんだんと強くなってきたからこそ、ただ面白くて楽しい物語を書くことが少なくなってきた気がする。書いている小説は純文学に分類されるのだろうけれど、そう思って書いている自覚はあんまりなくて、なんと言うか、一言で言えない気持ちにしっくりくる言葉を探しているような。
「懐かしい」という言葉を一度も使わずに、懐かしさを表現しうる小説を書いてみたり、周りに流されて自分の立つ場所を見失いそうになる女の子を主人公にしてみたり。


 読み手の語彙の豊かさに寄与するという意味ではなく、曖昧で霧がかかったような気持ちを少しでも見通しのよいものにするという意味で、ものを書いていたいなと思います。


 とは言ってますが、現状はそうでもなく……。


 またどうでもいいことを書きますが、午前0時から今ぐらいの時間って、小説を書くのにこれ以上ないほど最適な時間だと思います。
 小説を書くことだけにとどまらず、本を読むにしたって、何かもの思いにふけるにしたって、やっぱり深夜です。
 日中が気ぜわしいからこそこの時間は大事にしたいわけですが、大事にしすぎて寝不足になって、えらいことになったのがこの一週間でした。


 とりあえず、今年できることはやれるだけやってみようと足掻いています。
 小説も英語もSPIも自己分析も年賀状も読書も時事問題に関する考察も。
 妥協さえしなければ、できないわけではないはずです。おそらく。