まとまりなく、ただ

 真面目で堅実であることを笑う人というのは、笑うことで自分がそういう努力から逃げていることを正当化しているように思えてならない。こつこつ頑張るとか、地道な努力とか、それらを鼻で笑う人間に出会ったとき、そもそも自らまっとうに努力したことなどないのだろう、と思って、こちらから哀れんでしまう。


 真面目に、地道に努力するなんて恰好悪いし、もっと要領良くスマートに生きるべきだと、言い張る人もいるかもしれないが、そういう要領の良さというのも、頑張った経験からしか身に付けられないような気がする。


 僕自身としては、努力とか地道とかいう言葉は、あまり好きではないし、そういう頑張りというのは人目を忍んでやりたいとも思うほうである(できていないが)。
 それ以前に、ある程度頑張ってきたという自負はあっても、自分より頑張っている人を何人も見てしまうと、自分のやってきたことを努力という名前で呼ぶことに、ためらいを覚えずにはいられない。




 誰かに対する批判というのは、自分にとっても何かしら当てはまってしまうものです。


 冷静になって考えてみたら、他人を批判できる立場ですらなかったことに気付く。