順風

 ここに言葉を綴らなかった日々の長さが、慌しさを物語っているように思える。誰かのために仕事をしているのに、誰にともなく綴る言葉なんて、持ちようがない。そんな日々を過ごしている。


 荒波を覚悟していた新年度は、覚悟の甲斐もあって、無事に出だしを乗り切ることができた。
 ひっそりと書く自分は形を変え、人前に立ち、言葉を語る自分が、スタンダードになりつつある。むしろ、そうなったと言っていい。書くことをやめることはないだろうけれど、言葉に向かう姿勢と、物事を伝える姿勢は、ひとりの国語教員としての理想に向かって、今後は走り続けていくだろう。
 国語を教えるなら、こういう場に立ちたい、と働き始めた当初に思い描いていた環境に、早くも身を置かせていただいているのだから、それをまっとうできる幸せは、何ものにも代えがたい。期待されているのを、日々感じる。その期待に、こたえたくてたまらない。


 自分の存在が与える影響の範疇が広がり、伴う責任も大きいけれど、だからこそ、すべてを尽くした結果を素直に、謙虚に受け止める準備を、つねに心がけていたいと思う。


 慣れが少なからず慢心を生んだ昨年度を自省し、これまでの後悔を二度と繰り返さないことを誓って、進み続けていきたい。


 大切にしたい心持ちを失わないために、言葉としてここに刻んでおく。