それぞれの表現のあいだで

 誰かに向かって自分を表現する方法はいろいろあって、それぞれの方法が、まったく別の角度から世界を切り取って、受け取る側に新しい何かを与えてくれる。
 話すこと、書くこと、描くこと、歌うこと、演奏すること、多様な中でも共通しているのは、それまで世界になかったものが、表現によってゼロから生まれてくるということだと思う。


 今日は漫画を描いている友人に自分の書いたものを読んでもらっていろんな話をして、そのあとで大学のアカペラサークルの友人が出演するウィンターライブを観に行ってきた。自分とは違う表現方法で、精一杯のことをどこまでも突き詰めて頑張っている友人たちに尊敬の思いを持って、そして感謝の思いを込めて、自分にできる最大限のお礼を、ここに書くかたちでまとめておきたい。


 感想を言えば、何もかもが、寒さなど忘れさせるほどの熱を放って、冷たい空気を感動で包んでくれた、そんな感じ。それは物語について漫画を描いている友人と話しているときからすでにそうで、ライブだけにかぎったことではない。
 人の気持ちや考え方、関わり方の移ろいを言葉にして、読み手に何かを感じ取ってもらおうと日頃考えている僕と、人を楽しませてこそすべて、面白いと言ってもらって成功という物語の波を生むことを考えている友人では、物の見方は当然まったく違う。小説を読んでもらって目をつけるところ、指摘するところが、自分がそれほど意識していない点だったりするから新鮮だった。お互いに有名になって、ちゃんとした対談ができたらと、かなり思う。


 そして。アカペラのほうは本当に、期待を裏切らないというか、想像を超えるものをこっちにくれるから素敵だった。生で聴くのは二度目だったので、大体のイメージはできていたのだけれど、それでも鳥肌が立った。個々の声から紡ぎだされるバンドの一体感が、客席との一体感もつくっていく。楽器の介在がないぶん、そこに生まれる空気は濃い。
 今回のコンセプトである「道 pass-age」の通り、4回生の身としては、これまでとこれからを考えさせてくれるライブだった。聴いていて、今日というこの日まで歩いてきた道のりがその背後に垣間見えるようで、頑張ってきたんだなあという思いが伝わった。


 誘ってくれてありがとう。次の機会があるかどうかはわからないけれど、大切な思い出が一つ増えました。


 最後に、今日は実は大学の交響楽団に所属している友人から、定期演奏会の誘いもあって、アカペラとどちらに行くか迷った末、断ることになってしまった。きっとそちらに行ってもまた別の感動があっただろうし、今日の演目を聴くことがないというのが本当に残念なのだけれど、その謝罪とともに、2月は絶対行くから! という言葉と、今日はお疲れさまでした、という一言でもって、今日の日記は終幕させていただきます。


※追記※
 ちなみに、漫画を描いている友人もブログ書いてます。
 向こうのブログではこの日記をリンクしてもらっているのですが、このブログにリンク欄がないので、ここにURLを貼ってみます。同じ時間を共有できたこともあって、タイミングもちょうどよいかと。

http://battacomic.blog113.fc2.com/

 情熱あふるるブログですのでぜひ(笑)