改めて、ひとりの人間として

 なんて書こうか、と書き出しからいろいろと考えて迷ってしまうんですが、とりあえず面接は無事終わりました。
 突破すると次が最終なので、厳選するために結構なレベルを求められる質問が来るだろうと予想していたとおり、全体として、なかなか手ごわかったように感じます。グループとはいえ質問は個別に変わっていくし、時事問題に関する意見も求められました。雰囲気はそれほど張り詰めてはいなかったし、人事の方も場を和ませるような発言をしてくださったんですが、質問は非常に鋭かったです。でもまさか、北朝鮮についてどう思いますか、と訊かれるとは思いませんでした。なんてざっくり……。


 まずどんな感じだったかというところから始めると、その人が持っている仕事における考え方、価値観、人付き合いのスタンスが、観念的なところに始まり、実生活における具体的なところまで見られているような面接でした。総じて、ストレス耐性を見られるような質問も多かったように思います。
 一応、大学で積み重ねてきたことや、それを仕事へどう結びつけるかということも訊かれたし、しっかりとこたえることもできたんですけど、重要だったのはやっぱり持っている雰囲気だったり話し方だったり、根幹にある性格だったと感じます。
 自分が過去に一生懸命頑張ってきたことというのがある程度話せて当たり前になってくると、あとは自分の性格が、向こうが求める性格かどうか――それも一朝一夕で変えられるようなものではない、芯にあるその人の特徴が、その企業と合致するかどうか――が合否を左右する世界なのだと思います。


 ある意味、限界のようなものを感じ取った気もします。いろんな質問をされるなかで、多少話し方がうまくいかなかった点も反省はすべきですが、繰り返し言い方を変えて飛んでくる質問から考えると、相手が知りたいことはしんどい仕事に立ち向かっていける心を持っているかどうかということに尽きます。これまでの生き方のなかで、自分が選び取ってきた行為、行動のきっかけになる性格や考え方が、その企業にふさわしいかどうか、それを見極めるための面接だったと思っています。


 だから、今日の手応えについて言うなら、当然自分の言うべきことは言ったし、普段考えていることもある程度素直に言葉にできたと思っています。ただ、結果としてそれが、果たして相手の企業で働く人間として合致したかどうかというところまでは、何とも言えません。
 一つ確実に言えるのは、入社したら、思っていた以上にハードな業務が待っているということです。ノルマやチームワーク、責任に関する考え方について、詳細に質問されたことが、何よりそれを示しています。
 第一志望として、入社したい意志は強く持っていたつもりですが、イメージだけにとらわれてしまっている可能性も否定はできないと改めて考えました。第一志望だからこそ、主観による美化が混じって企業を判断してしまうことがありがちです。面接が終わって、果たして自分がそこで働き続けられる人間だろうかという懸念が現れてしまったしだいです。


 合う合わないということは、人間ですから必ずあります。でも、好きか嫌いかはまた別で、それが自分と相手との関係性において、誤った思い込みを生む原因になることは、結構よくある話です。確かにしっかりしているし、いいところはある、でも――というように。
 何の話かって、もちろん就活です。


 きっと、受かっていればそこで通用する人間として認められたと言えるでしょうし、だめだった場合は入社しても後悔するだけだったと考えるべきなのだと思っています。結果には納得できるだけ、力は尽くしたと言い切って大丈夫です。


 さあ、そういうわけで疲れました。今日に照準を合わせてコンディションを整え、全力で闘えるように準備してきたため、終わった途端何もしたくなくなりました。一旦休憩が必要です。
 明日大学に行くのすらしんどいなあと思ったりします。
 でも家にいたところで無為に過ごしてしまうし、4限はとりあえず行こうかなあ、などとぐだぐだ考えています。こんな時間ですが。