おもむく

 今日は大学には行かず、たまたま申し込めた大手企業の説明会に赴いてきました。これまで見向きもしなかった業種の説明会だったのですが、全然知らなかった業界だからこそ、そこに見られるやりがいを知ると、当然ながら興味も出てくるものです。
 選考に進む気はなかったものの、2月に受けたテストセンターの結果を使い回せるとのことなので、縁があるのかどうかを確認するため、とりあえず次のステップに申し込みました。
 何はともあれ、自分のまったく知らないことについて知ることができるのが最近楽しいです。超大手企業の本社ビルなんて、今でなければ中に入ることはまずないし、いわゆる仕事のデキる人にお目にかかるのもなかなか興味深いものです。
 それを自分の目標とするかどうかはまた別ですが。


 説明会に参加するときつねづね思うのが、たった1日の中に重なり合って存在する偶然についてです。今回もそうなんですが、今までにも何度かあったのが、キャンセルによって空きが出たために参加できた説明会。偶然検索で見つけて偶然空いていた場面にめぐり合うのもなかなか稀なことですが、さらにそこで誰かと仲良くなると、その人と会うまでに一体いくつ偶然があったのかと思わず考えてしまいます。


 可能性、というのは元来、アリストテレスが初めて用いた哲学の概念ですが、現在まで続く強靭なその思想の偉大さを、スーツを着ながら考え込んでいたしだいです。


 そうなってしまったこと。
 そうならなかったかもしれないこと。
 そうなるべくしてなったこと。


 自らのもつ可能性に対して、自ら制限をかけるようなことはせず、ふとした偶然にかぎりなき希望を期待できるような、そんな人間でありたいと改めて思った1日でした。
 同時に、そこからもう一歩進んで、自分だけでなく、他者の持つ可能性をも尊重できる寛容さをもった人間であれたら、とも思ったりします。
 ときにひどく利己的になる自分がいるので、それが少しでも改善できれば。