責任

 嫌いな言葉です。ていうか多分、好きな人あんまりいない気もします。抽象的で、大抵面倒な意味合いを含むことが多い言葉。そこに名誉が伴ってくるために、負うこと自体が嬉しい責任もなくはないですが、お前の責任だ、と誰かに言われて良い気分がすることはまあ、ないと思う。


 でも、生きていると何かしらの責任をどこかで負うことにはなるわけで、そもそも生きている時点で自分の人生にはある程度の責任を負わなければ、人としてうまく生きられないんじゃないかと思う。これは俺の人生なんだから、どう生きようと俺の勝手、というスタンスを取るためにだって、自己責任という多少の重みを背負わなければならない。
 ただ、組織に属してしまうとどうしても自己責任で済まない次元に立つことになる。自分はいつか小説を書いて生きていくようになるし、とのんびり思っていたので、インターンシップ前の研修なんかを受けていると、組織に属することで背負うであろう責任がどういうものなのか、少しずつ実感してしまいます。
 組織で様々な人間関係に揉まれながら苦労を乗り越えて生きることが、人間的な成長をもたらすことだと言えるんだろうか。それがよくわからないから、企業に入って働くことに、まだ心の一部分は抵抗を試みている気がする。けれど、生きるためには仕方ないかと現実に甘んじている自分もいて。
 とりあえず、大学院に進学するつもりはないんだから働くしかないかなと思うわけで、だから必死になって研修を受けて企業に身を置く準備をしているという……。
 まっとうに生きようとすると、正面から生き難さにぶつかりますね。でも、適当に生きればいいやと思えるほど図太くもなく、就職活動は不安で仕方ありません。誰だって不安だと言えばそれまでですし、なるようにしかならないというのも一つの真理かとは思うんですけど。


 で、まあ何を言いたいかというと、今日のバイトで僕の後に来るはずの人間が無断欠勤を試みたので多少憤慨しているだけなんですが。
 お金をもらっている以上、そこで働くことにはたとえバイトの身であっても責任を負う義務が生じるんだから、と当たり前かつ面倒なことを考えた自分がいました。