欠けていく

 この歳になって、ひととつながりをつくって保つことの難しさを思う。仕事外で、誰かに出会うことがなかなかできない状況にあって、仕事から離れて落ち着ける関係性を求めるのは自然な流れで、これまでの友人だけでなく、輪を広げていきたい思いも募るからこそ、いろいろなことを試みている。
 けれど、本当に、難しいなという一言以外に言葉が出てこない。
 人間的に自分に何か問題があるとしか思えなくなっている。


 意気投合できるひと、できたひとのかけがえなさを思って、泣きそうになる。仕事が立て込むなか、オアシスのように待ちわびた休みを使って会いたいと思えるかどうか、という尺度で、どうしても考えてしまう。古い友人に会えていないのも、その点が大きい。
 ただ、古い友人は付き合いが長いゆえにつながりが切れないのもわかっていて、安心しているというのがある。言及したいのは、新しくつくるつながりのほうだ。


 友達が少なすぎることを大学時代の友人に指摘されたこともあるので、自分で動かなければ何も変わらないと思って動き続けているのではあるが、見えてくるのは自分の至らない面ばかりだった。


 自分と関係を断ったほうがメリットがある、と何人のひとに思われただろうか。当然、仕方がないこともある。どうにもならないこともある。


 けれど本当に、つながりを大切にしたいという気持ちが何もかも裏目に出ている気がしてならない。


 ひとを求めることは罪なのだろうか。


 仕事が順調でも、こればかりはどうしようもない。
 しかも、おおむね順調な仕事でも、少し不本意なことがあったので、余計にへこむ。全部自分が悪いように思える。


 強くありたい。負けたくない。負けてたまるか。