著者自身が七つ目の星となる

 月の初めに日記を書かないことが多い気がしたので、さっきまで書くつもりはなかったけれど何か書こうと思います。最近は本の話ばかりですが、今回はそんなことはなく。と、言いたいところですがものすごいスピードで1冊読み終えてしまったので少しその話を。


 川上未映子さんの対話集『六つの星星』(文芸春秋)です。近いうちに買おうと思っていて、一応自分の中では積んである本を先に消化してからにしようかとも考えていたのですが、多和田葉子さんのエッセイを読み終わって、さらに日本文学の講義で扱われる松浦理英子さんの『葬儀の日』を読み進めていると、なんかもうどうしてもこの対話集を読みたくなってしまい、予定を早めて衝動買いに近い形で購入にいたりました。


 なんせ対談のお相手が、斎藤環さん、福岡伸一さん、松浦理英子さん、穂村弘さん、多和田葉子さん、永井均さん、という豪華な方々なので、たった1冊で、いろいろなところから物事を考えた試みに寄り添うことができたと思います。複数の人間による短編集だったりこういう対談集にはよくある、この人よく知らないなと思うような人が、ここには一人もいないというのが非常に贅沢です。
 じっくり感想を書くことは今回はしませんが、個人的にはやっぱり松浦さんと、多和田さんとの対談を興味深く読んでいました。対談にもかかわらず、松浦さんの発言からうかがえる語彙の豊かさ、強さには惹かれるものがありましたし、多和田さんとのお話の中では小説やエッセイでは語られない一面を見ることができて驚かされました。
 また、『ヘヴン』を読まれた方には永井均さんとの「『ヘヴン』をめぐって」をぜひおすすめしたいなあと思います。


 感想をじっくり書かないかわりに、今回考えたいろいろな事柄は、自分の書く小説に向けてしっかり練り上げていこうと思っています。