孤独の結晶

 鬱屈した思いが琥珀のように結晶化するのを眺めている。言葉にしたいモチーフを、思いつくたび書きつけては、それが一つの形を成すのを待っている。書き出すのはまだ早い。器を満たし、やがては溢れ出す想像の欠片が、言葉になってきらめいて、作品ができあがる。自分しか知らない物語を、その誕生をじっと待ち続けること。そこにある孤独が凝縮されて、はじめて一つの作品となるのだろう。書くことは、孤独と向き合うことであり、自分自身の内なる声に辛抱強く耳を傾けることである。
 さみしさは少しずつ、作品になってゆく。