Really?

 レジに立っていたら、たばこの棚を見ながらおじさんが言った。
スーパードライ2つ」
 僕は一瞬おじさんの顔を見る。真顔である。
「……あ、はい。こちらでよろしいですか」
 数通りのツッコミが脳裏をよぎるも僕はこらえ、棚からスーパーライトを2つ持って差し出す。おじさんはうなずいて600円を僕の手の上に置いた。
「ありがとうございましたー」
 おじさんは真顔のまま店を出て行った。


 僕は息を吸い、誰にともなく言う。
「それビールやろ!!」


 穏やかな昼下がりである。