Relaxation

 寒い。言わなくてもみんなわかっているこの言葉が、今日どれくらいの数を発せられたのだろうと考えると、より寒い。けれどこの寒さが、今日会った人にも会わなかった人にもひとしくもたらされていることを思うと、なぜか少し暖かい気がする。気がするだけで、寒いことは寒いのだけれど。
 明日も寒いんだろうなあ、とこたつに入りながら思う。


 川上弘美[著]『なんとなくな日々』(新潮文庫)を先ほど読み終えた。ふわーっとゆるかった。せっかくなので、そのテンションのまま本日の日記をしたためているしだいである。


 なんでまたこの立て込んでいる時期に、そんなものを読んだのかと言えば、それはもう、なんとなくである。まあ細かく言ってしまえば、昨日精神的に軽くない小説を読み終えてしまったこともあるし、何より追い込まれていることを自覚しているからでもある。
 追い込まれているときこそ、川上さんの書いたものは、実によいとおもう。ひらがなで、よいとおもう。あったかめのぬるま湯である。
 心地良すぎて、つかりすぎると寒くて出られないんじゃないかと思う。




 でも、そんなこと言っている場合ではないのは言うまでもありません。言いましたが。


 次は宮部さんを読もうかなあと思っています。