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 大学生活で頑張ったことを例えば訊かれたとして、迷わず「小説を書いてきたこと」とは答えるけれど、それによって得たものなどと続けて書いていると、別に就職したくて小説書いてきたわけじゃないしなあ、とどこか嘘をついている気になる。
 しかし、小説を書くこと自体がそもそも嘘をつくことなのだから今さら同じか、と思い直す。
 今まで書いてきた小説を思い返すと、自分の経験に基づいて書いているから私小説には近いものもあるけれど、事実とは必ずしも重ならない点で致命的な嘘がそこにある。人との会話の中で嘘をつくのはあまり得意なほうではないと思っているものの、平気で嘘を書き続けてきたわけだから結構たちが悪いのかもしれない。


 というわけで(?)、今日の説明会もなかなか楽しかったです。で、上に書いたようなことを思ったのは何もESに苦戦しているからではありません。


 高橋源一郎山田詠美 『顰蹙文学カフェ』(講談社


 ついに読みました。最近ことごとく友人の薦めるものを読んでいる気がします。「ことごとく」っていう表現は若干不適切な気もしつつ。山田詠美さんの小説は他のも読もうかと思っているし、ここにあと笙野さんを読めば結構大変なことになるんじゃないかと思います。まだしばらく読む予定はありませんが。
 就職に向けて動きながら、残りわずかな大学生活でどれだけ本が読めるのかを考えてしまうと、蓄えられる知識は蓄えられるだけ自分の中に詰め込んでおきたい思いに駆られます。狭く深く読み続けてきたことだし、いい加減幅を持たせることも考えねば。
 で、読み終えたこの対談集の内容に関してですが、おそらく会話の中で話題にすべきことであって、ここに書くことではない気がするので書かないでおきます。